「IT業界のマーケターに興味があるけど、実際どんな仕事なんだろう」「文系だし、IT知識もないけど自分にできるのかな」
こんなふうに悩んでいませんか。
ITマーケターという仕事は、名前は聞いたことがあっても、具体的に何をするのかイメージしにくいですよね。しかも「マーケティング」と「IT」が合わさると、なんだか難しそうに感じてしまう。
でも安心してください。ITマーケターは文系出身の人もIT未経験の人もたくさん活躍しています。営業や接客、企画の経験があれば、それがそのまま強みになる仕事です。
リアルな一日の流れや未経験での転職ロードマップ、スキルの学び方まで幅広く紹介します。年収の目安や企業選びのポイントも解説しているので、気になるところから読んでみてください。
ITマーケターって何をする仕事?
ITマーケターは、IT企業が作った製品やサービスを「必要としている人に届ける」仕事です。
ちょっとわかりにくいですよね。もう少し噛み砕いてみます。
IT製品やサービスを届ける役割
たとえば、あるIT企業が業務効率化のクラウドツールを開発したとします。どんなに優れた製品でも、存在を知ってもらわなければ使ってもらえません。
ここで登場するのがITマーケターです。
「どんな企業がこのツールを必要としているか」を調べて、「どうやったら情報を届けられるか」を考えます。そしてWeb広告やメール配信、セミナーなどの施策を打っていくんです。
ざっくり言うと、こんな業務に関わります。
- Web広告の運用(Google広告やSNS広告の出稿と改善)
- SEO対策(検索エンジンで自社サイトを上位に表示させる施策)
- メールマーケティング(見込み客へのメール配信と効果測定)
- コンテンツの制作(ブログ記事、ホワイトペーパー、動画など)
- データ分析(施策の効果を数字で確認して次の打ち手を考える)
「営業が直接お客さんに会いに行くなら、マーケターはWebやメールでお客さんを見つけてくる」と考えるとイメージしやすいかもしれません。
SaaS企業やテック企業での働き方
ITマーケターが活躍する場所は、大きく分けて3つあります。
SaaS企業は、今もっともITマーケターの需要が高い職場です。freeeやSmartHR、Sansanのような月額課金型のクラウドサービスを提供している会社ですね。
マーケティング部門が会社の成長を直接支えているので、仕事の手応えを感じやすい環境です。
大手IT企業のマーケティング部門も選択肢のひとつです。NTTデータや富士通のような会社で、自社製品やソリューションの拡販を担います。安定した環境で腰を据えて働けます。
もうひとつが、Webマーケティングの支援会社です。サイバーエージェントやセプテーニのような企業で、クライアントのマーケティングを代行します。さまざまな業界の案件に触れられるので、短期間でスキルの幅が広がります。
どの環境でも、あなたのアイデアが数字として目に見える形で返ってくるのがITマーケターの面白さです。
ITマーケターのリアルな一日
「で、実際にどんな一日を過ごすの?」と気になりますよね。ある中堅SaaS企業で働くマーケターの一日をのぞいてみましょう。
朝の業務と午前中の動き方
9時に出社したら、まずメールとチャットをチェック。リモートワークの日は自宅のデスクで同じことをやります。広告の配信状況やサイトのアクセス数をざっと確認して、おかしな数字が出ていないかを見ておく。これが朝のルーティンです。
9時半からはチームミーティング。今週のキャンペーンの進み具合やリードの数を共有します。リードとは見込み客のことで、この数字がマーケターの成果指標になります。
会議は15分から30分くらいで終わることが多いです。
10時からは広告運用のデータ分析に入ります。「昨日出したGoogle広告のクリック率はどうだったか」「どのキーワードから問い合わせが来ているか」を管理画面で確認して、入札額を調整したり、広告文を修正したりします。
11時からは新しいキャンペーンの企画に頭を使います。来月リリースする新機能のプロモーションで、誰に何をどう伝えるかを考えます。エンジニアやデザイナーと打ち合わせしながら詰めていきます。
午後の企画・分析ワーク
ランチのあと、13時からはコンテンツの作成に取り掛かります。ブログ記事の構成を考えたり、メール配信用の原稿を書いたり、ランディングページの修正指示をデザイナーに出したり。文章を書く場面はけっこう多いです。
15時からは月次レポートの準備。先月のマーケティング施策がどれだけ成果を出したかを数字でまとめます。「Web広告から何件の問い合わせが来たか」「SEO経由のアクセスはどう変化したか」を集計して、次月の予算配分を検討します。
16時半には営業チームとの連携ミーティング。マーケティングで獲得したリードの質について、営業から「この層のリードは商談につながりやすい」「このキャンペーンのリードはニーズが薄かった」といったフィードバックをもらいます。
17時以降は翌日のタスク整理と、手が回らなかった細かい作業をこなして一日が終わります。
毎日同じことの繰り返しではなく、データを見ながら「次はこうしてみよう」と試行錯誤する日々です。変化が好きな人には合う仕事ですよ。
文系・IT未経験でも大丈夫?
「IT業界って理系の人ばかりじゃないの?」「プログラミングができないとダメ?」
そう感じますよね。でも実は、ITマーケターにプログラミングのスキルは必須ではありません。
IT知識ゼロから始めた人の実態
ITマーケターとして働いている人の中には、前職がITとまったく関係のない仕事だった人がたくさんいます。営業や事務、販売員や教師だった人もいるんです。
IT知識は仕事をしながら自然と身についていきます。最初から全部わかっている必要はないんです。「SaaSってなに?」「APIってなに?」というレベルでも、3ヶ月も仕事をすれば日常会話として使えるようになります。
入社後に覚えることはありますが、いきなり高度な技術を要求されるわけではありません。Google広告の管理画面の操作やGoogleアナリティクスの見方は、研修で教えてもらえる企業が多いです。
大切なのは「わからないことをそのままにしない姿勢」だけ。ここさえ押さえていれば心配しなくて大丈夫です。
営業や接客の経験が武器になる理由
異業種からITマーケターに転職する人にとって、前職の経験は想像以上に役立ちます。
営業経験がある人は、お客さんが何に困っているかを肌感覚で理解できます。誰にどんなメッセージを届けるかを考えるとき、この感覚が直結するんです。マーケティングの世界では顧客理解と呼ばれるスキルで、教科書だけでは身につきません。
接客や販売の経験がある人は、お客さんの表情や反応から本音を読み取る力を持っています。この観察力は、Webサイトのユーザー行動を分析するときに生きてきます。
企画やプロジェクト管理の経験がある人は、キャンペーンの進行管理やスケジュール調整がスムーズにできます。
あなたがこれまで積み上げてきた経験は、ITマーケターとして働く上でちゃんと武器になります。自信を持って大丈夫ですよ。
まず身につけたいスキルと学習の順番
「マーケティングのスキルってたくさんあるけど、何から手をつければいいの?」
みんなぶつかる壁です。全部を一度に学ぼうとすると途方に暮れます。優先順位をつけて、ひとつずつ片付けていきましょう。
最優先はデータを読む力
まず取り組むべきは、Googleアナリティクスの基本操作です。
Googleアナリティクスは、Webサイトに「何人来たか」「どのページが読まれたか」「どこから来たか」を見るための無料ツールです。ITマーケターなら毎日のように使います。
Googleが公式に提供しているGoogleアナリティクスアカデミーという無料の学習プログラムがあります。まずはここから始めてみてください。動画を見ながら進められて、修了すると認定資格がもらえます。
面接のアピール材料にもなって一石二鳥です。
データ分析と聞くと「数学が苦手だから無理」と思うかもしれません。でもITマーケティングで使うのは四則演算と割合の計算くらいです。
「先月より10%アクセスが増えた」「1クリックあたり150円かかっている」という話が理解できれば問題ありません。
次に広告運用とSEOの基本
Googleアナリティクスに慣れたら、次はWeb広告の仕組みとSEOの基礎知識を学びましょう。
Web広告はGoogle広告とSNS広告(FacebookやInstagram)を押さえておけば、実務で困ることは少ないです。Google広告にはGoogleスキルショップという無料の学習サイトがあり、こちらも認定資格を取れます。
SEOは、検索エンジンで自社のページを上位に表示させるための取り組みです。座学で勉強するよりも、自分でブログを立ち上げて記事を書いてみるほうが早く理解できます。
WordPressで無料ブログを始めて、アクセスの変化を見ながら学んでみてください。
あとは、実務に入ってからSNS運用やメールマーケティング、コンテンツマーケティングを深めていけば大丈夫です。最初から全部を知っている必要はないので、焦らず一つずつ進めてくださいね。
未経験からITマーケターになるロードマップ
「いつ、何をすればいいのか」を時期ごとに見ていきましょう。
今すぐ始められること
まず今日からできることがあります。
Googleアナリティクスアカデミーに登録して、初級コースを始めてみてください。1日30分ずつ進めれば、2週間ほどで修了できます。動画と実習形式なので、テキストを読むだけの勉強より頭に入りやすいです。
並行して、ITマーケティングの求人をざっと眺めてみましょう。dodaやリクナビNEXTで「ITマーケター」「Webマーケティング」と検索すると、どんなスキルが求められているか、年収の相場感がつかめます。
この段階では「自分に合いそうか」を感じることが目的です。肩の力を抜いて、興味のある求人をブックマークする程度で大丈夫ですよ。
1〜3ヶ月で実践する学習
Googleアナリティクスの基礎を終えたら、実際に手を動かすフェーズに入ります。
WordPressで自分のブログを作り、SEOを意識した記事を5本ほど書いてみてください。キーワード選定やタイトルの付け方、記事構成を自分で考える経験が面接で話せるポートフォリオになります。
同時に、Google広告のスキルショップで認定資格(Google広告の検索広告認定)を取得しましょう。実務経験がなくても「自発的に学んでいる姿勢」を見せることで、面接での評価が変わります。
余裕があれば、XやInstagramで情報発信も始めてみてください。フォロワーの反応を見ながら投稿内容を改善する経験は、そのままマーケティングの実践になります。
3〜6ヶ月で転職活動を本格化
学習と実践の成果が揃ったら、いよいよ転職活動です。
この段階では職務経歴書に書けるものが揃っています。Googleアナリティクス認定資格や個人ブログの運用実績、Google広告認定資格の保有など。未経験でこれだけの準備をしてくる人は少ないので、採用担当者の目に留まりやすくなります。
転職エージェントは、IT業界に強いサービスを2〜3社併用するのが効率的です。エージェント経由でしか出ない非公開求人もあるので、自分で求人サイトを見るだけでなく、プロの力も借りましょう。
面接では、前職の経験をマーケターとしてどう活かせるかを伝えてください。たとえば営業経験があるなら「お客さまの課題をヒアリングしてきた経験は、ターゲット設定に直結します」のように、具体的な接点を示すのがコツです。
ここまで準備できたあなたなら、内定を勝ち取れる可能性は十分あります。
転職先の会社を見極めるチェックポイント
未経験で飛び込むからこそ、「どんな会社を選ぶか」で入社後の成長スピードが大きく変わります。
求人票でチェックすべき項目
求人票を開いたら、まずここを見てください。
教育制度が整っているかどうか。「未経験歓迎」と書いてあっても、研修がなく「見て覚えて」という会社だと苦労します。研修期間や教育プログラムがあるかを確認しましょう。
配属先のチーム構成が明確かどうか。「マーケティング部門」とだけ書かれていて、実態は一人で全部やらされるケースもあります。チームの人数や役割分担が記載されている求人のほうが安心です。
残業時間の目安が書かれているか。月の残業時間が20-30時間程度であれば、業界的には標準的です。極端に多い場合は人手不足のサインかもしれないので注意してください。
使用しているツールが記載されているか。GoogleアナリティクスやGoogle広告、HubSpotなど具体的なツール名が書かれている求人は、マーケティングの体制が整っている会社だと判断できます。
面接で聞いておきたい質問
面接は、あなたが会社を選ぶ場でもあります。遠慮せずに質問しましょう。
「入社後3ヶ月の教育プランはどのようなものですか?」と聞くと、未経験者の受け入れ体制がわかります。明確な回答が返ってくる会社は安心できます。
「マーケティングチームの構成を教えてください」と聞けば、自分がどんな役割を担うかイメージできます。先輩のマーケターが何人いるか、メンターがつくかどうかも確認しておくといいですね。
「マーケティングの成果はどんな指標で評価されますか?」という質問もおすすめです。数字で評価される会社のほうが、自分の実力を客観的に証明できるようになります。「なんとなく頑張ってるね」で終わる会社だと、スキルが伸びにくい。
企業選びを丁寧にやれば、入社後の「こんなはずじゃなかった」を防げます。ここは手を抜かずに取り組んでくださいね。
ITマーケターの年収とキャリアパス
ITマーケターの年収は、経験とスキルによって幅があります。
経験年数ごとの年収レンジ
未経験で入社した場合の初年度は350万〜450万円が目安です。前職の年収によっては下がる場合もありますが、IT業界は昇給ペースが速い傾向にあります。
経験3年程度になると450万〜600万円の水準に上がる人が多いです。広告運用やSEOで成果を出せるようになり、チームの中核を担うポジションです。
経験5年以上でマネージャー職に就くと600万〜800万円が見えてきます。マーケティング戦略の立案やチームマネジメントを任されるレベルです。
外資系IT企業やメガベンチャーのシニアポジションでは、800万〜1,200万円を超えるケースもあります。SQLやPythonを使ったデータ分析ができるマーケターは市場価値が特に高いです。
転職サイトの情報によると、マーケティング職全体の平均年収は500万円台が目安です。IT業界のマーケターは市場の成長性もあり、全体平均より高い水準で推移しています。
将来のキャリアの広がり
ITマーケターとしてキャリアを積んだ先には、いくつもの道が開けます。
マーケティングマネージャーは、チームを率いてマーケティング戦略全体を統括するポジションです。施策の実行だけでなく、予算管理や組織作りにも携わります。
プロダクトマーケティングマネージャー、通称PMMも注目の職種です。製品の市場投入戦略を専門的に担い、どんな機能を誰にどう伝えるかを突き詰めます。IT業界ではPMMの需要が年々伸びています。
さらに上を目指すなら、マーケティングディレクターやCMO(最高マーケティング責任者)という道もあります。会社のマーケティングを経営レベルで統括する役職です。
ここまで到達する人は限られますが、目標として知っておくとモチベーションにつながります。
また、ITマーケターの経験はフリーランスとしても活かせます。企業のマーケティング支援を個人で請け負ったり、コンサルタントとして独立する人もいます。
進める方向がたくさんあるのは、ITマーケターならではの魅力です。まずは目の前の仕事に集中していれば、道は自然と広がっていきますよ。
ITマーケター転職のまとめと次の一歩
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
振り返りです。
- ITマーケターは、IT製品やサービスを必要な人に届ける仕事
- 文系・IT未経験からでも挑戦できる
- まずGoogleアナリティクスから学び始めるのがおすすめ
- 3〜6ヶ月の準備期間で転職活動に臨める
- 企業選びでは教育体制とチーム構成を確認する
- 年収は経験に応じて上がり、キャリアの幅も広い
「自分にもできるかな」と不安に思う気持ちはよくわかります。でも、今この記事を読んでいるあなたは、すでに一歩を踏み出しています。
まずはGoogleアナリティクスアカデミーに登録して、無料の初級コースから始めてみてください。小さな一歩が、半年後のあなたのキャリアを大きく変えるきっかけになります。
応援しています。