「学生時代の数学なんてもう忘れた…」そんな転職者でも大丈夫。SPI非言語は難しい数学の試験ではなく、パターンを覚えればサクサク解けるようになります。出題タイプ別に例題・公式・解法をまとめました。
SPI非言語問題は、いわゆる「数学系」の能力検査です。「社会人になってから数学なんて使わない」という人でも、SPI非言語で問われる内容は中学〜高校入試レベルの計算問題が中心です。難解な微積分や高度な統計は出ません。
転職者が受けるSPI-Gでは、非言語問題の難易度は新卒向けのSPI-Uよりやや易しめに設定されています。ただし、社会人は数学に触れる機会が少ないため、「パターンを忘れている」状態で受けると思わぬ失点につながります。
SPI非言語は、数学的センスより「どのタイプの問題か」をすばやく見抜く力が大切です。各タイプのパターンと解法を頭に叩き込めば、あとは当てはめるだけ。難しく考えなくて大丈夫ですよ。
非言語パートの出題数
制限時間の目安
1問あたりの目安時間
偏差値による相対評価
非言語は言語より1問あたりの解答時間が長めに設定されています(1問70秒が目安)。じっくり考える余裕があるように見えますが、計算に手間取ると時間が足りなくなります。「解法パターンを見てすぐ公式を当てはめる」スピードが求められます。
大手企業を目指すなら正答率70%以上。まずは「推論・速さ・割合・確率」の頻出4タイプだけ完璧にすれば6割はクリアできます。全部を完璧にしなくても大丈夫です。
SPI非言語問題には10の出題タイプがあります。まず全体像をつかんで、「どのタイプが得意でどれが苦手か」を把握しましょう。
| 出題タイプ | 頻出度 | 難易度 | 対策優先度 |
|---|---|---|---|
| ① 推論 | ★★★ | 上級 | 最優先 |
| ② 速さ・距離・時間 | ★★★ | 中級 | 最優先 |
| ③ 割合・比 | ★★★ | 中級 | 最優先 |
| ④ 確率 | ★★★ | 中級 | 最優先 |
| ⑤ 損益算 | ★★☆ | 中級 | 高 |
| ⑥ 場合の数 | ★★☆ | 中級 | 高 |
| ⑦ 仕事算 | ★★☆ | 中級 | 高 |
| ⑧ 濃度算 | ★☆☆ | 上級 | 中 |
| ⑨ 数列 | ★☆☆ | 初級 | 中 |
| ⑩ 資料解釈 | ★★☆ | 中級 | 高 |
条件をもとに正しい結論を導く問題です。数学の計算力より論理的思考力が問われます。問題が複雑に見えることが多いですが、図や表に整理すると驚くほどシンプルになります。
「AはBより大きい」「CはBより小さい」という条件が出たら、必ず不等号で整理しましょう。頭の中だけで処理しようとすると必ずミスします。
A、B、C、D、Eの5人が1列に並ぶ。AはBより前にいる。CはDより後ろにいる。BとDは隣り合っている。このとき確実に言えることを選びなさい。
A. AはCより前にいる B. DはBより前にいる C. EはCより後ろにいる D. AはDより前にいる
条件整理:A<B(AがBより前)、D<C(DがCより前)、BとDは隣。「BとDが隣」かつ「A<B」から、AはBより前。DがBの前にいると仮定するとD<B<Cとなり、A<DまたはD<Aが決まらないが、Bの後ろにDが来るとA<B、B隣D→A<D。よってDが正解。
転職者が最も「昔解いた記憶がある」と感じるタイプです。「速さ×時間=距離」の公式(はじき)を覚えているだけでは解けないひっかけ問題も出るので注意が必要です。
距離=速さ×時間
速さ=距離÷時間
時間=距離÷速さ
出会い:速さの和で割る
追いかけ:速さの差で割る
km/h と m/min が混在する問題は、統一してから計算する
A駅からB駅まで時速60kmで走ると2時間かかる。同じ道を時速80kmで走ると何時間何分かかるか。
A. 1時間20分 B. 1時間30分 C. 1時間40分 D. 1時間45分
まず距離を求める:60km/h × 2h = 120km。次に時速80kmで120kmを走る時間:120 ÷ 80 = 1.5時間 = 1時間30分。「速さが上がるのだから時間は短くなる」という常識チェックも忘れずに。
ビジネスでも使う計算ですが、SPIでは「百分率・分数・比」が複合した問題が出ます。分数とパーセントの変換を素早くできるようにしておきましょう。
ある商品の定価は4,000円。今週は定価の20%引きで販売している。さらに店員割引として売値の10%引きで購入できる場合、実際の購入金額はいくらか。
A. 2,720円 B. 2,800円 C. 2,880円 D. 3,040円
まず20%引き:4,000 × 0.8 = 3,200円。次にさらに10%引き:3,200 × 0.9 = 2,880円。「40%引き(0.6倍)」ではなく、段階的に計算するのがポイント。20%引き後の価格にさらに割引が適用されます。
「全体の場合の数」と「条件を満たす場合の数」を求めて割り算するのが確率の基本です。サイコロ・カード・くじ引きなどがよく出ます。
確率 = 条件を満たす場合の数 ÷ 全体の場合の数。「少なくとも1つ」という表現が出たら「余事象(1 − 起きない確率)」を使うと計算が楽になります。
1〜6の目があるサイコロを2回振るとき、出た目の合計が7になる確率を求めなさい。
A. 1/6 B. 1/9 C. 1/12 D. 5/36
全体の場合の数:6×6=36通り。合計が7になる組み合わせ:(1,6)(2,5)(3,4)(4,3)(5,2)(6,1) = 6通り。確率 = 6/36 = 1/6。合計が7になる組み合わせを漏れなく書き出すのがコツです。
商売の仕組みをもとにした計算問題です。「原価に利益を乗せて定価にし、値引きして売値にする」という流れを図で整理できると解きやすくなります。
定価 = 原価 × (1 + 利益率)
売値 = 定価 × (1 − 値引き率)
利益 = 売値 − 原価
「3割の利益を見込んで定価をつけ、2割引きで販売した」→ 利益率を計算する問題
具体的な金額がない場合は原価を「1」と置いて計算すると式がシンプルになります
原価2,000円の商品に40%の利益を乗せて定価をつけた。この商品を定価の25%引きで販売したとき、利益または損失はいくらか。
A. 100円の利益 B. 50円の損失 C. 損益なし(0円) D. 150円の損失
定価:2,000 × 1.4 = 2,800円。売値:2,800 × 0.75 = 2,100円。利益:2,100 − 2,000 = 100円の利益。「40%の利益」と「25%の値引き」がどちらも大きく見えますが、計算すると利益が残ることがポイントです。
「何通りあるか」を数える問題です。順番が関係する(並べ方)なら順列、順番が関係しない(選び方)なら組み合わせを使います。
n個からr個選んで並べる:n×(n-1)×…×(n-r+1)通り。例:5人から3人並べる=5×4×3=60通り
n個からr個選ぶ:nPr ÷ r! 通り。例:5人から3人選ぶ=60÷6=10通り
10人のグループから委員長1人と副委員長1人を選ぶ選び方は何通りあるか。
A. 45通り B. 90通り C. 100通り D. 120通り
委員長と副委員長は「役職が異なる」ので順番が関係します(順列)。委員長の選び方:10通り。副委員長の選び方:残り9人から1人=9通り。合計:10×9=90通り。「A. 45通り」は2人を「ただ選ぶだけ」(組み合わせ)の場合の答えです。
「AとBが一緒に働くと何日かかるか」という問題です。コツは全体の仕事量を「1」と置いて、1日あたりの仕事量を分数で表すことです。
Aひとりでやると12日、Bひとりでやると8日かかる仕事がある。AとBが一緒にやると何日で終わるか。
A. 4日 B. 4.8日 C. 5日 D. 6日
全体の仕事量を1とする。Aの1日の仕事量:1/12。Bの1日の仕事量:1/8。合わせた1日の仕事量:1/12 + 1/8 = 2/24 + 3/24 = 5/24。かかる日数:1 ÷ (5/24) = 24/5 = 4.8日。「全体を1と置く」というアプローチを覚えてしまえばパターン通りです。
食塩水の濃度を求めたり、混ぜ合わせたりする問題です。「食塩の量は変わらない」という原則を軸に計算します。難問扱いされますが、公式さえ覚えれば意外と解けます。
濃度(%) = 食塩の量 ÷ 食塩水の量 × 100。混ぜ合わせたときの濃度は「食塩の合計量 ÷ 食塩水の合計量 × 100」で求めます。
10%の食塩水200gと5%の食塩水300gを混ぜると何%の食塩水になるか。
A. 6% B. 7% C. 7.5% D. 8%
食塩の量:200×0.1+300×0.05 = 20+15 = 35g。食塩水の合計:200+300 = 500g。濃度:35÷500×100 = 7%。「単純に (10+5)/2=7.5%」ではなく、量の重みを考えて計算することが大切です。
数字の並びから規則を見つけて、空欄の数字を答える問題です。等差数列・等比数列・フィボナッチ数列のパターンを知っておけば大半は対応できます。
次の数列の( )に入る数を答えなさい。3, 6, 12, 24, ( ), 96
A. 36 B. 42 C. 48 D. 54
3→6→12→24と、前の数を2倍している等比数列(公比2)。24×2=48。隣同士の関係(差や比)をまず確認する習慣をつけると、規則が見つけやすくなります。
グラフや表から正確に数値を読み取り、計算する問題です。読み取りミスを防ぐため、問題文で聞かれていることを先に確認してから資料を見る習慣をつけましょう。
「増加量」と「増加率」を混同するのが最大の罠。「最も増えた年」を聞いているのに「最も増加率が高かった年」を答えてしまうミスが頻出です。問われているのが「量」か「率」かを必ず確認しましょう。
下表はある会社の年度別売上高(万円)を示している。前年比の増加率が最も高い年度はどれか。
2020年:800 / 2021年:880 / 2022年:924 / 2023年:1,000 / 2024年:1,050
A. 2021年 B. 2022年 C. 2023年 D. 2024年
各年の増加率を計算する。2021年:(880-800)÷800=10%。2022年:(924-880)÷880=5%。2023年:(1000-924)÷924≒8.2%。2024年:(1050-1000)÷1000=5%。最も増加率が高いのは2021年の10%。「増加量」ではなく「増加率(÷前年の値)」で比べるのがポイントです。
SPI非言語で必ず覚えておきたい公式を一覧でまとめました。試験直前の確認にも使えます。全部を一度に覚えようとしなくて大丈夫。苦手なタイプの公式から順番に覚えていきましょう。
| タイプ | 公式・ポイント |
|---|---|
| 速さ・距離・時間 | 距離=速さ×時間、速さ=距離÷時間、時間=距離÷速さ |
| 割合 | 割合=比べる量÷もとにする量、比べる量=もとの量×割合 |
| 損益算 | 定価=原価×(1+利益率)、売値=定価×(1-割引率) |
| 確率 | 確率=条件を満たす場合の数÷全体の場合の数 |
| 場合の数(順列) | nPr=n×(n-1)×…×(n-r+1) |
| 場合の数(組み合わせ) | nCr=nPr÷r! (r!=r×(r-1)×…×1) |
| 仕事算 | 全体を1とし、1日の仕事量の和×日数=1 |
| 濃度算 | 濃度(%)=食塩量÷食塩水量×100 |
| 等差数列 | 第n項=初項+(n-1)×公差、和=(初項+末項)×項数÷2 |
| 等比数列 | 第n項=初項×公比^(n-1) |
仕事をしながらSPI対策をするのは本当に大変ですよね。10タイプ全部を満遍なく勉強する時間がない人がほとんどだと思います。だからこそ「どこから手をつけるか」が大切です。
この4タイプだけで非言語問題の約6割を占めます。まずここを集中的に対策すれば、最低限の合格ラインを確保できます。
| 使える時間 | 対策するタイプ | 目標正答率 |
|---|---|---|
| 10時間(超短期) | 推論 + 速さ・距離・時間 + 割合・比 | 55% |
| 30時間(標準) | 上記 + 確率 + 損益算 + 場合の数 | 70% |
| 50時間以上(じっくり) | 全タイプ + 資料解釈の演習 | 80%以上 |
公式1つ覚えるだけで安定得点。学生時代の記憶が残っていることも多く、最短で得点できる。
仕事でも使う計算。理解しやすく得点しやすい。パーセント変換を素早くできるよう練習しよう。
パターンを見つけるだけ。計算量が少なく時間もかからない。初級レベルで安定得点が見込める。
公式を覚えて場合を書き出すだけ。余事象の使い方を覚えると難問も解けるようになる。
「原価・定価・売値」の関係を図で整理する習慣をつければコンスタントに得点できる。
時間がかかるが頻出。図・表に整理する訓練をすれば確実に得点につながる最重要タイプ。
パターン理解に時間がかかる。余裕があれば対策する。難問は潔く飛ばす判断も大切。
「数学は苦手じゃないのに…」と自信があった転職者ほど、本番で予期しない失敗をすることがあります。よくある落とし穴を事前に知っておきましょう。
「km/h と m/s」「時間と分」が混在する問題で単位を統一せず計算してしまうミスが頻出。速さの問題では最初に単位を統一することを鉄則にしましょう。
「簡単に見えるから図を書かなくていいや」という判断が命取りに。条件が3つ以上ある推論問題は、必ず図や表を書いて整理してから解きましょう。対策:常にメモに書き出す習慣をつける。
「20%引きの後にさらに10%引き」を「30%引き」と計算してしまう典型ミス。段階的な割引は「掛け算でかける」ことを忘れないようにしましょう。正しい計算:0.8 × 0.9 = 0.72倍(28%引き)。
1問に3分以上かけても解けない場合は、思い切って次の問題に進みましょう。テストセンター形式では「解けない問題に固執する」のが最大の失点原因です。
試験まで3週間あるなら、1日30分の勉強で十分に対策できます。仕事の後でも無理なく続けられるペースで、着実に得点力を上げていきましょう。
まず「はじき」と割合の公式を確認。毎日5問ずつ解いて計算の感覚を取り戻す。通勤中に公式カードを見返す習慣を作ると効果的。
確率は「全体を書き出す」練習を繰り返す。推論は「図を書いてから解く」を徹底。1日10問ずつ演習。
全タイプを通して解き、1問70秒のペースを体感する。間違えた問題と解法パターンを重点的に復習して仕上げる。
学生時代の数学が苦手だったあなたも、SPI非言語は「数学の試験」ではなく「パターンの試験」です。公式と解法を覚えてしまえば、あとは当てはめるだけ。1日30分を3週間続けられれば、必ず合格ラインに届きますよ。
ガイドを読んで「こういう問題が出るんだ」とわかったら、次は実際に手を動かして解いてみましょう。頭でわかっているのと、自分で解けるのでは全然違いますよ。練習問題で今の実力を確認してみてください。
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