営業事務とは、営業担当者の社内業務を代行し、営業活動の効率化を支援する職種です。見積書・請求書の作成、顧客対応、受発注管理など幅広い業務を担当します。
営業事務は人気の高い職種で、求人倍率が高い現実もあります。でも、準備のしかたを知れば、未経験でも採用を勝ち取れる職種です。接客や販売の経験が武器になることも多い。
この記事では、営業事務への転職を「5つのステップ」で整理し、志望動機の書き方から職場選びの注意点まで、転職の流れを一通り解説します。
営業事務とはどんな仕事?一般事務との違いも解説
営業事務とは、営業担当者の社内業務を代行し、営業活動の効率化を支援する職種です。見積書・請求書の作成、顧客対応、電話対応、受発注管理、資料作成などが主な業務で、「営業担当者の右腕」として機能します。単純な書類整理とは異なり、社外の顧客・取引先とやりとりする機会も多いのが特徴です。
営業事務の主な仕事内容
日常的に対応する業務は、大きく分けると次のようなものです。
- 見積書・請求書の作成: 営業が商談を進める中で必要な書類を素早く作成する
- 受発注管理: 注文の受け付け・発注処理・納期の確認と調整
- 電話・メール対応: 顧客や仕入れ先からの問い合わせに一次対応
- 資料・プレゼン作成: 営業担当者が使う提案書や会議資料のサポート
- スケジュール調整: 商談のアポイント調整や社内会議の段取り
ひとことで言えば、営業チームが「売ること」だけに集中できるよう、周辺業務を幅広く担う役割です。
一般事務との違いを比較で理解する
営業事務と一般事務、どちらも「事務」と名のつく仕事ですが、実態はかなり違います。
| 項目 | 営業事務 | 一般事務 |
|---|---|---|
| 対外コミュニケーション | 多い(顧客・取引先対応あり) | 少ない(社内中心) |
| 業務のスピード感 | 速い(営業の動きに合わせる) | 比較的ゆっくり |
| 平均年収(正社員) | 約440万円 | 約353万円 |
| 向いている人 | 人と話すのが好き・テキパキ動ける | コツコツ作業が得意 |
| ストレス要因 | 板挟み・忙しさの波が大きい | 単調さ・やりがいを感じにくい |
一般事務への転職を考えている人は、こちらの記事も参考にしてみてください。
ポイント
営業事務は一般事務より平均年収が約87万円高い職種です(求人ボックス給料ナビ 2026年調べ)。その分、スピード感や対人ストレスも一般事務より大きい点は、転職前に理解しておきましょう。
営業事務に向いている人?セルフ診断チェック
あなたが営業事務に向いているか、チェックしてみましょう。
営業事務への転職は本当に難しいの?
正直に言うと、簡単ではありません。でも、難しさの中身を知れば、対策は立てられます。
倍率が高い理由と未経験者が直面する壁
営業事務の求人倍率が高い理由は、主に3つあります。
まず、人気が高い。接客や販売の経験者が「屋内でのデスクワーク」「スキルが活きる仕事」として営業事務を希望するケースが多く、応募が集まりやすい。
次に、正社員求人が少ない。営業事務のポジションは派遣・契約社員で埋める企業が多く、正社員採用枠は競争が激しくなります。
さらに、経験者優遇が一般的。「未経験歓迎」と書かれた求人でも、実際には経験者がいれば経験者を採用する企業が多い。
知恵袋では「内定取り消しで絶望した」「転職活動を何ヶ月続けても決まらない」という声も多く寄せられています。気持ちはよくわかります。でも、準備なしで応募し続けているケースも多く、正しいアプローチを取れば結果は変わります。
それでも転職できる人の特徴
採用される人には共通点があります。
- 業務への理解を書類で示している: 「営業事務がどんな仕事か」を具体的に理解した上で志望動機を書いている
- PCスキルの証明ができる: ExcelやWordの基礎操作、可能ならMOSなどの資格で証明している
- 対人スキルを具体的に伝えている: 接客・電話対応・調整業務など、コミュニケーション能力の裏付けがある経験を示せる
- サポート役としての適性を面接でアピールできる: 「自分がやりたい」より「チームの役に立ちたい」という姿勢が伝わる
あなたが接客や販売の経験を持っているなら、それはそのまま武器になります。「電話対応が得意」「複数の業務を同時進行するのに慣れている」という経験は、まさに営業事務で求められるスキルです。
未経験から営業事務に転職する5つのステップ
転職活動は、順番を守ることが大事です。行き当たりばったりで応募をはじめると、書類で落ち続けて消耗します。
STEP 1: 自己分析で「売れる強み」を見つける(1〜2週間)
まず、自分の経験を棚卸しします。職種を問わず、次の問いに答えてみてください。
- 今の仕事で「誰かのサポートをした」経験はあるか
- 複数のタスクを同時にこなした場面はあるか
- 電話・窓口などで顧客対応をした経験はあるか
- Excel・Wordを使ったことはあるか
接客・販売なら「お客様の要望を聞いて素早く対応した経験」、コールセンターなら「電話越しに複数の問い合わせをさばいた経験」、飲食なら「ランチピーク時に注文・会計・片付けを同時に回した経験」など、どれも営業事務への応用が効きます。
STEP 2: 転職エージェントに登録する(1週間)
自己分析と並行して、転職エージェントへの登録を済ませましょう。エージェントのカウンセリングで「自分の強み」がより整理されるからです。
未経験からの転職でエージェントをどう活用するかは、こちらの記事で詳しく解説しています。
リクルートエージェントやdodaは求人数が豊富で、営業事務の求人も多く掲載されています。複数のエージェントに登録して、担当者との相性も見ながら進めるのがおすすめです。
STEP 3: 書類対策(1〜2週間)
職務経歴書と履歴書の作成に、しっかり時間をかけてください。特に職務経歴書の「自己PR」は、採用担当者が最初に読む部分です。
志望動機のポイントは「なぜ営業事務か」を具体的に書くことです。「事務職に就きたい」では弱い。「前職での電話対応・スケジュール調整の経験を活かして、営業チームの業務効率に貢献したい」という具体性があると、採用担当者の目に止まります。
STEP 4: 応募・面接対策(2〜4週間)
書類が通り始めたら、面接準備に集中します。営業事務の面接でよく聞かれるのは次のような質問です。
- 「なぜ営業事務を選んだのですか?」
- 「PCスキルはどの程度ですか?」
- 「電話対応や複数業務への対応経験はありますか?」
- 「営業担当者と連携する仕事ですが、対人関係でストレスを感じることはありますか?」
最後の質問がポイントです。「ストレスはありません」と答えるより、「前職でも板挟みになる場面はありましたが、こうやって対処してきました」という経験談のほうが信頼されます。
STEP 5: 内定後の条件確認と入社準備(2〜4週間)
内定が出たら、条件の確認を忘れずに行ってください。「残業の頻度」「営業チームの人数と雰囲気」「評価制度」などは、入社後のギャップを防ぐために事前に確認すべき項目です。
注意
内定の喜びのあまり、条件の確認を後回しにするのはリスクがあります。知恵袋には「入ってみたら営業に使い倒されるだけだった」「残業が多いと聞いていなかった」という声が多くあります。入社前に職場見学の機会を求めることも、選択肢のひとつです。
派遣から始めるべき?それとも正社員を狙うべき?
よく聞かれる質問です。どちらが正解かは、あなたの状況によって変わります。
派遣から始めるメリット・デメリット
派遣から始めるメリット:
- 未経験でも門戸が広い。求人数が多く採用されやすい
- 実際の職場環境を体験してから正社員を目指せる
- 複数の会社・業種を経験できる
派遣から始めるデメリット:
- 正社員より給与・福利厚生が弱い
- 雇用が安定しない
- 「派遣→正社員」のルートは、必ずしも保証されない
あなたの状況別おすすめルート
| あなたの状況 | おすすめルート |
|---|---|
| PCスキルに全く自信がない・20代前半 | 派遣から始めてスキルを積む |
| 接客・対人業務経験3年以上・PCは基礎OK | 最初から正社員を狙う |
| とにかく早く転職したい・収入が途切れると困る | 派遣と正社員の両方で応募 |
| 30代以上・安定した雇用が優先 | 正社員のみに絞る(派遣は長期化リスク) |
派遣で実務経験を積んで正社員になるルートは、確かに存在します。ただし「派遣先の会社に直接雇用される」のが理想で、いつまでも派遣のまま年数だけ重ねると、正社員への転換が難しくなることもあります。
転職を成功させるために必要なスキルと資格
スキルがゼロでも転職できないわけではありませんが、最低限の準備があれば選考突破率はぐっと上がります。
未経験でもアピールできるスキル
採用側が重視しているのは、次のスキルです。
- Excelの基礎操作: データ入力・集計・VLOOKUP程度は使えると理想
- Word・PowerPoint: 資料作成・書類管理に使う
- コミュニケーション能力: 電話対応・メール対応・社内調整の経験
- タスク管理能力: 複数の業務を並行して進める経験
接客経験があれば、「電話越しに相手の意図を素早く把握する力」「感情的にならずに対応する力」がすでに身についているはず。これらは正直に経験談として書くだけで十分なアピールになります。
取得しておくと有利な資格
資格は必須ではありませんが、持っていると書類選考で差がつきます。
- MOS(Microsoft Office Specialist): WordとExcelのスキルを証明できる国家資格相当の検定
- 秘書検定2級: ビジネスマナー・書類作成・スケジュール管理の知識を証明
- 日商簿記3級: 請求書・経費処理など、経理系の書類に強くなれる
MOSは短期集中で取得できる資格で、未経験転職での説得力を大きく高めます。転職活動と並行して、まず取得を目指してみてください。
営業事務に向いている人・向いていない人
向いている人の特徴
- 人をサポートすることに充実感を覚える
- 話すこと・聞くことが得意
- テキパキと動くのが苦ではない
- 突発的なタスクが発生しても落ち着いて対応できる
- 几帳面で、書類の数字や記載ミスに気づきやすい
特に「接客業でのクレーム対応を経験してきた人」は、電話での顧客対応や板挟みへの耐性が既に養われていることが多く、営業事務での適応力が高い傾向があります。
向いていない人のサインと対策
こんなタイプの人は、入社後に「こんなはずじゃなかった」と感じやすいかもしれません。
- 「自分のペースで集中したい」「誰にも邪魔されずに作業したい」という欲求が強い人
- 電話が苦手で、電話のたびにストレスを感じる人
- 営業を手伝うことに「不公平感」を覚えやすい人
向いていないサインがあっても、「営業事務以外に選択肢がない」わけではありません。経理事務や総務など、対外コミュニケーションが少ない職種で事務スキルを活かす道もあります。
営業事務の年収相場と将来性
年収相場(データ付き)
企業規模が大きいほど年収は高くなります。同じ営業事務でも、10〜99人規模の中小企業では444万円、100〜999人規模では505万円、1,000人以上の大企業では579万円と差があります(厚生労働省 令和6年度賃金構造基本統計調査より)。
転職先の企業規模を考えるときは、年収の規模感も念頭に置いておくといいでしょう。
キャリアパスと将来性
営業事務からのキャリアパスは、大きく2方向あります。
深める方向: 同じ職種でより大きな企業・条件の良い企業に転職する。業種や商材の知識が深まるほど、専門性が上がります。
広げる方向: 営業事務の経験を活かして、総合事務・経理・人事などに転換する。書類作成・調整スキルはどの職種にも通じます。
一方で「スキルが属人化しやすい」「評価が給与に直結しにくい」という課題もある職種です。将来性を高めるには、PCスキルの向上や簿記・MOSの取得で「市場価値」を高め続けることが現実的な道です。
こんな職場は避けて!後悔しない職場選びのポイント
知恵袋で一番多かったのが「板挟みが地獄だった」「評価されない」という声です。これは、職場選びの失敗から来ることがほとんどです。
板挟みが多い職場の見分け方
次のような職場では、板挟みになりやすいです。
- 営業と他部署(経理・倉庫・製造など)の仲が悪い
- 営業が強くて事務を「便利屋扱い」している文化がある
- 「何でもやって当然」という空気がある
面接時に確認できる質問として、「営業事務と営業担当者の役割分担はどのように決まっていますか?」「業務範囲について、最初に説明いただけますか?」などが有効です。はぐらかすような回答が返ってきたら、要注意です。
働きやすい職場の特徴
逆に、こういった特徴がある職場は比較的働きやすいです。
- 営業事務の業務範囲が明文化されている
- 営業事務同士でチームを組んでいる(一人に集中しない体制)
- 残業時間の実態をはっきり教えてくれる
- 女性社員の長期在籍率が高い(定着率の目安になる)
職場選びのチェックポイント
求人票の「残業なし」は鵜呑みにしないでください。面接で「月平均の残業時間を教えてもらえますか?」と聞いてみましょう。答えを渋る企業は、残業が常態化している可能性があります。
年齢別の転職戦略(20代・30代・40代)
20代の戦略
20代は、一番チャンスが多い年代です。「ポテンシャル採用」が受けやすく、スキルが多少不足していても「これから伸びる人材」として採用してもらえる可能性があります。
志望動機で「成長したい」「学びたい」という姿勢を前面に出すのが有効です。PC操作や簿記のスキルを転職活動中に少しでも身につけて、「学ぶ行動力がある人」を示せるとさらに強い。
30代・40代の戦略
30代以降は「即戦力感」を出すことが重要です。
これまでの仕事で「複数業務を同時進行した経験」「正確な書類作成の実績」「社外との折衝経験」があれば、それを具体的な数字・エピソードで伝えることです。「〇社の案件を並行して対応しながら、ミスなく納期を守り続けた」など、実績として語れる形にしましょう。
30代後半・40代では、正社員求人の競争がより厳しくなります。転職エージェントに相談しながら、自分のスペックに合った企業規模・業種を狙う戦略を立てることが大切です。
営業事務転職に強いおすすめエージェント
営業事務転職でよく使われるエージェント
事務職転職に強いエージェントを選ぶことで、非公開求人へのアクセスや書類・面接サポートが受けられます。
求人数業界最大級。事務・営業事務の求人数も豊富。全職種・全業界に対応。
- ✅ 非公開求人を含む求人数トップクラス
- ✅ 書類・面接対策のサポートが充実
- ✅ 未経験転職のサポート実績多数
エージェントとサイトを同時活用できる総合型。事務系求人も多く掲載。
- ✅ 求人数・転職者満足度ともに高評価
- ✅ スカウト機能で企業からアプローチも
- ✅ 職種別の転職ノウハウが豊富
20代未経験から事務職・デスクワークへの転換に特化。営業職から事務職を目指す方にも対応。女性キャリアアドバイザーが最短2週間でサポート。
- ✅ 20代未経験×事務職転職に特化
- ✅ 営業職からのキャリアチェンジも得意
- ✅ 最短2週間の内定実績あり
よくある質問
未経験でも営業事務に転職できますか?
転職できます。ただし、「未経験歓迎」と書かれている求人でも、基本的なPCスキル(Word・Excel)とコミュニケーション能力は求められます。接客・販売・コールセンターなど、対人業務の経験があれば、未経験でも採用される可能性は十分あります。
営業事務と一般事務、どちらが転職しやすいですか?
求人数は一般事務のほうが多い傾向がありますが、年収は営業事務のほうが高め(平均約87万円差)です。コミュニケーション・スピード感に抵抗がなければ、営業事務のほうが年収面で有利です。
志望動機はどう書けばいいですか?
「なぜ事務職か」より「なぜ営業事務か」を書くことが大切です。「営業担当者のサポートをする立場で、チームの売上に貢献したい」という視点で、前職での経験(調整業務・対人対応など)と結びつけて書くと強い志望動機になります。
30代・40代でも転職できますか?
転職できます。30代以降は即戦力性が問われますが、前職での具体的な実績・経験を丁寧に整理することで評価されます。転職エージェントを活用して、年齢に合った企業規模・業種を狙う戦略が現実的です。
「板挟み」が辛そうで不安です。どう対策すればいいですか?
これは職場選びで大きく変わります。面接時に「営業と事務の役割分担の仕組み」や「残業の実態」を確認することで、入社後のギャップをある程度防げます。複数社に応募し、職場の雰囲気を比較した上で決断することをおすすめします。
まとめ
この記事の要点
- 営業事務は未経験でも転職可能。接客・販売経験は直接活かせる
- 転職は自己分析→エージェント登録→書類対策→面接→内定確認の5ステップで進める
- 派遣 or 正社員の選択は自分の状況(スキル・年齢・急ぎ度)によって変わる
- 板挟みリスクは職場選びの工夫で大きく減らせる
- 年収は平均440万円。企業規模が大きいほど高くなる傾向がある
営業事務への転職は、準備なしでは難しいですが、正しい順番で動けば未経験でも道は開けます。
大事なのは3つです。
- 自分の経験を「営業事務向きのスキル」として言語化する
- 職場選びを妥協しない(条件確認・板挟みリスクの見極め)
- 転職エージェントを使って効率よく進める
接客・販売・コールセンター経験のある人には、営業事務はかなり相性のいい職種です。自分で気づいていないだけで、あなたの経験は十分な武器になります。
焦らず一歩ずつ準備を進めてみてください。きっと「ここだ」と思える職場に出会えます。