「推論って何から手をつければ…」と感じていませんか? 実は推論問題には決まったパターンがあります。順位付け・命題・集合・論理推論の4タイプを、例題を解きながらマスターしていきましょう。
推論問題は、SPI非言語パートの中で最も出題数が多く、かつ最も難易度が高いタイプです。テストセンター形式では2〜4問程度出題され、正答率によって次に出る問題の難易度も変わるため、ここで得点できるかどうかが合否を分けるといっても過言ではありません。
「推論」と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、安心してください。出題パターンは大きく4つに分かれていて、それぞれの解法を覚えてしまえばサクサク解けるようになりますよ。
非言語で最も出題される
解答時間の目安
主要な出題パターン
攻略の最大のコツ
1. 条件を整理する(図・表・不等号で書き出す) 2. 確実に言えることを見極める 3. 選択肢を1つずつ検証する。この3ステップを毎回意識するだけで正答率がぐっと上がります。
推論問題では計算力よりも論理的思考力が問われます。数学が苦手だった人でも、パターンさえ覚えれば得点源にできるんです。逆に、計算が得意でも「頭の中だけで解こうとする」とミスが増えます。必ず図・表に書き出す習慣をつけましょう。
「AはBより大きい」「CはDの右にいる」といった条件から、正しい順序や位置を特定する問題です。推論問題の中で最も出題頻度が高く、最初に対策すべきタイプですね。
「AはBより高い」→ A > B のように、すべての条件を不等号で書き出す
共通する要素でつないで A > B > C のような1本の鎖を作る
不等号で直接つながっている関係だけが「確実に言える」こと
A、B、C、D、Eの5人がテストを受けた。以下の条件がわかっている。
・AはBより点数が高い
・CはDより点数が低い
・BとCは同点である
このとき確実に言えることを選びなさい。
ア. AはDより点数が高い イ. DはAより点数が高い ウ. EはAより点数が低い エ. AはCより点数が高い
B = C で A > B なので、A > C は確実に言えます。AとDは直接つながっていないので比較できません。条件にない要素(E)については何も言えないのがポイントですね。
P、Q、R、S、Tの5人が前から順に1列に並んでいる。
・PはQより前にいる
・RはSより前にいる
・QとRは隣り合っている
・Tは最も後ろにはいない
Sが5番目(最後尾)にいるとき、3番目にいる人物を選びなさい。
ア. P イ. Q ウ. R エ. T
条件を表に整理して、確定した情報(S=5番目)から埋めていくのがコツです。QとRが隣で R<S=5 という条件から、QR=(3,4)が確定します。
A〜Eの5チームがリーグ戦(総当たり)を行った。引き分けはない。
・Aは2勝2敗
・Bは3勝1敗
・Cは3勝1敗
・Dは1勝3敗
Eは何勝何敗か。
ア. 0勝4敗 イ. 1勝3敗 ウ. 2勝2敗 エ. 3勝1敗
リーグ戦の問題は「総試合数 = n(n-1)/2」「総勝ち数 = 総試合数」という法則を使うとあっという間に解けます。対戦表を書かなくても、この公式だけで解ける問題は多いですよ。
「AならばBである」という命題が真のとき、そこから何が言えるかを判断する問題です。文系の人が特に苦手とするタイプですが、たった1つのルールを覚えるだけで劇的に解けるようになります。
「AならばB」が真のとき、「BでないならばAでない」(対偶)も必ず真です。推論問題の命題タイプは、このルールだけで7割は解けます。これを使えば解答時間を30秒は短縮できますよ。
「犬ならば動物だ」が真でも、「動物ならば犬だ」(逆)は真ではありません。この間違いはSPIで最も引っかかりやすいポイントです。「元の命題と対偶だけが同じ運命」と覚えましょう。
「A→B」かつ「B→C」が真ならば、「A→C」も真。共通するBを経由して矢印をつなぐだけです。命題が3つ以上あるときに威力を発揮します。
「すべての猫は哺乳類である」が真であるとき、確実に真と言えるものを選びなさい。
ア. 哺乳類であれば猫である イ. 猫でなければ哺乳類でない ウ. 哺乳類でなければ猫でない エ. 猫は哺乳類でない
対偶の「哺乳類でない → 猫でない」だけが確実に真です。ア(逆)とイ(裏)は一見正しそうに見えますが、犬やウサギのことを考えれば成り立たないとわかりますね。
以下の2つの命題が真であるとする。
・「ITエンジニアはPythonを使える」
・「Pythonを使えるならデータ分析ができる」
このとき確実に真と言えるものを選びなさい。
ア. データ分析ができる人はITエンジニアである イ. ITエンジニアはデータ分析ができる ウ. データ分析ができない人はITエンジニアでない エ. Pythonを使えない人はデータ分析ができない
矢印を1本のチェーンでつなぐと、ITエンジニア → データ分析ができるという三段論法が成り立ちます。実はウとエも真ですが、最もダイレクトな三段論法の結果であるイが正解です。転職活動でも使えそうなテーマですね。
以下の命題がすべて真であるとする。
・「サッカーが好きな人は体力がある」
・「野球が好きな人はサッカーも好きだ」
・「体力がない人は運動が嫌いだ」
「野球が好きな人」について確実に言えることを選びなさい。
ア. 運動が嫌いではない イ. 運動が嫌いだ ウ. 体力がない エ. サッカーが好きではない
命題を矢印でつなぐと、野球好き → 体力がある → 運動が嫌いではない、というチェーンが完成します。3つ目の命題「体力がない→運動嫌い」の対偶を使うのがポイントです。
「英語が得意な人は何人」「両方得意な人は何人」といった集合の要素数を求める問題です。ベン図を大きく書いて、確定した数値から順番に埋めていけば、見た目より簡単に解けますよ。
小さいと数字が入らなくなる。メモ用紙の半分以上を使うくらい大きく描く
各円の上に「英語」「数学」のようにラベルを必ず書く。書かないと混乱の元
「両方」の人数を先に真ん中に入れ、そこから引き算して各領域を求める
|A or B| = |A| + |B| - |A and B|
全体 N = |A or B| + どちらでもない人数
この公式だけで2集合の問題は全部解けます。
100人にアンケートを取ったところ:
・英語が得意な人:60人
・数学が得意な人:50人
・両方得意な人:20人
英語も数学もどちらも得意でない人は何人か。
ア. 5人 イ. 10人 ウ. 15人 エ. 20人
公式にそのまま当てはめるだけで解けます。「両方得意な20人」を引き忘れて110人にしてしまうミスに注意。重なりを2回カウントしないように公式を使いましょう。
30人のクラスで:
・体育が好きな人:18人
・音楽が好きな人:16人
・どちらも好きでない人:2人
両方好きな人は何人か。
ア. 4人 イ. 6人 ウ. 8人 エ. 10人
「どちらも好きでない人」が与えられたら、まず全体から引いて「少なくとも1つ好きな人の数」を出すのがコツです。あとは公式に当てはめるだけですね。
60人に対するアンケート。
・A社の製品を使っている:35人
・B社の製品を使っている:30人
・C社の製品を使っている:20人
・AとBの両方:15人 ・BとCの両方:10人
・AとCの両方:8人 ・3社すべて:4人
少なくとも1社の製品を使っている人は何人か。
ア. 52人 イ. 54人 ウ. 56人 エ. 58人
3集合の問題では包含除外の公式を使います。「足して、引いて、足す」のリズムで覚えましょう。どれも使っていない人は 60 - 56 = 4人です。
「4人のうち1人だけが嘘をついている。犯人は誰か?」のように、発言の真偽から正しい結論を導く問題です。推論問題の中でも最も推理力が試されるタイプですが、解法はシンプル。「仮定して矛盾を探す」を繰り返すだけです。
1. 「Aが嘘つき」と仮定する → 2. 他の人の発言を全部チェックする → 3. 矛盾があれば仮定が間違い → 4. 矛盾がなければそれが正解。全員分を試す必要はなく、矛盾が出たらすぐ次に進みましょう。
A、B、C、Dの4人のうち、1人だけが嘘をついている。4人の発言は以下のとおり。
・A「犯人はBだ」
・B「私は犯人ではない」
・C「犯人はAではない」
・D「犯人はBだ」
犯人は誰か。
ア. A イ. B ウ. C エ. D
AとDが同じ「犯人はB」と言っているのがヒントです。もし犯人がB以外なら、A・Dの2人が嘘をつくことになり、「1人だけ嘘」の条件に矛盾します。だから犯人はBで確定です。
以下の3つの条件がある。
・「XはAまたはBに参加する(少なくとも一方)」
・「XがCに参加するなら、Bには参加しない」
・「XはAに参加しない」
XのBとCへの参加状況として正しいものを選びなさい。
ア. BもCも参加する イ. Bに参加、Cは不参加 ウ. Bは不参加、Cに参加 エ. BもCも不参加
確定情報(A不参加)からスタートして、ドミノ倒しのように次々と確定させていくのがコツです。条件2の対偶を使うと、Bに参加するならCには参加しないことがわかります。
4つのタイプの特徴を比較してみましょう。対策の優先順位を決める参考にしてください。
| タイプ | 出題頻度 | 難易度 | 解法の核 | 対策優先度 |
|---|---|---|---|---|
| 順位付け・位置関係 | ★★★ | 中級 | 不等号チェーン・配置表 | 最優先 |
| 命題(AならばB) | ★★★ | 上級 | 対偶変換・三段論法 | 最優先 |
| 集合(ベン図) | ★★☆ | 中級 | ベン図・公式代入 | 高 |
| 論理推論 | ★★☆ | 上級 | 仮定法・矛盾検証 | 高 |
まず順位付けと集合を固めてから、命題と論理推論に取り組むのがおすすめです。順位付けと集合は「図を書けば解ける」タイプなので、短時間で得点力がつきます。
仕事をしながらSPI対策をするのは本当に大変ですよね。推論は範囲が広く見えますが、効率よくやれば1日30分 x 1週間でも十分に対策できます。
不等号で条件整理する練習を5問。「確実に言えること」の判断に慣れる。最も出題頻度が高いのでここから始めよう。
対偶の法則と三段論法を覚えて5問演習。「元の命題と対偶は同じ運命」を体に叩き込む。
ベン図の公式を覚えて3問、論理推論の仮定法を3問。パターンに慣れることが目的。
タイプを見極める練習。1問1〜2分のペースで解く。時間オーバーの問題は飛ばす判断力も鍛える。
転職者で一番多い失敗が「図や表を書かずに頭だけで解こうとする」ことです。どんなに簡単に見えても、条件が3つ以上あったら必ず書き出しましょう。書くだけで正答率が20%は上がります。
命題の問題で最も多いミスです。「AならばB」の逆「BならばA」を真と思い込む人がとても多い。迷ったら「犬ならば動物 → 動物ならば犬?」と具体例で確認する癖をつけましょう。
推論問題は最初は難しく見えますが、パターンを覚えれば確実に解けるようになります。論理的に考える力は仕事でも必ず役に立つので、この機会にしっかり身につけましょう。あなたなら大丈夫ですよ。
ここまで読んで「パターンがわかった!」と感じたら、次は実際に手を動かして解いてみましょう。頭でわかっているのと自分で解けるのでは全然違いますよ。
非言語問題の練習問題50問で、推論の実力をチェック!
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