「損益算って、ビジネスで使ってるから余裕でしょ?」と思ったのに、いざ問題を解くと間違える...そんな経験ありませんか?実は損益算は覚える公式がたった3つ。コツをつかめば確実に得点できる"おいしい"分野です。このページで基本から応用まで一気にマスターしましょう。
損益算は「商売の仕組み」を算数で解くだけの問題です。難しい数学ではないので安心してください。まずは4つの用語と3つの公式を整理しましょう。
スーパーでの買い物をイメージするとわかりやすいですよ。お店が商品を仕入れて、値段をつけて、セールで値下げして売る。この流れが損益算の全体像です。
| 用語 | 意味 | 日常での言い換え |
|---|---|---|
| 原価 | 商品を仕入れるときにかかった費用 | 仕入れ値・コスト |
| 定価 | 原価に利益を上乗せした販売基準価格 | 本体価格・標準価格 |
| 売値(売価) | 実際に客に売る価格(割引後の価格) | 実売価格・セール価格 |
| 利益 | 売値から原価を引いた金額 | もうけ(マイナスなら損失) |
原価(仕入れ値)→ 利益を上乗せ → 定価 → 割引 → 売値。この「左から右への流れ」を頭に焼き付けておくと、問題を見た瞬間に整理できるようになります。
損益算で必要な公式はこれだけ。3つの式を左から右に追いかけるだけで、どんな問題にも対応できます。
例:原価1,000円に30%の利益を乗せる → 1,000 x 1.3 = 1,300円
例:定価1,300円を20%引きで売る → 1,300 x 0.8 = 1,040円
例:売値1,040円 - 原価1,000円 = 40円の利益
SPIでは「〇割増し」「〇%引き」という表現が頻出します。素早く乗数に変換できるように、この表を頭に入れておきましょう。
| 表現 | 乗数 | 計算例(1,000円の場合) |
|---|---|---|
| 2割増し / 20%増し | x 1.2 | 1,000 x 1.2 = 1,200円 |
| 3割増し / 30%増し | x 1.3 | 1,000 x 1.3 = 1,300円 |
| 4割増し / 40%増し | x 1.4 | 1,000 x 1.4 = 1,400円 |
| 5割増し / 50%増し | x 1.5 | 1,000 x 1.5 = 1,500円 |
| 1割引き / 10%引き | x 0.9 | 1,000 x 0.9 = 900円 |
| 2割引き / 20%引き | x 0.8 | 1,000 x 0.8 = 800円 |
| 3割引き / 30%引き | x 0.7 | 1,000 x 0.7 = 700円 |
| 定価の8掛け | x 0.8 | 定価の20%引きと同じ |
SPIの問題文で「原価の〇%の利益を見込む」と書いてあれば原価基準(利益 / 原価 x 100)。一方、ビジネスの現場でよく使う「利益率」は売値基準(利益 / 売値 x 100)のこともあります。問題文の表現を必ず確認してください。
損益算をスピーディに解くための最強テクニックが「原価を1と置く」方法です。具体的な金額が与えられていないときに特に威力を発揮しますが、金額がある問題にも使えます。
原価を1と置くと、定価や売値がすべて小数(または分数)で表せるので、計算がとてもシンプルになります。「100」と置いてもOKですが、「1」の方が掛け算の回数が減るので本番ではおすすめです。
「原価の30%増しで定価をつけ、20%引きで売った場合、原価に対する利益率は?」という問題を考えてみましょう。
問題文に具体的な金額がないので、原価を1にします。
「30%増し」なので原価に1.3をかけます。
「20%引き」なので定価に0.8をかけます。
売値から原価を引いて、原価で割れば利益率が出ます。答えは4%。
このように、原価を1と置くと数字がシンプルになって暗算でも解けるレベルになります。「30%増しで20%引き → だいたい4%の利益」という感覚を掴んでおくと、本番で素早く判断できますよ。
具体的な金額がある場合はそのまま計算してOK。ただし利益率だけ求める問題なら「1と置く」方が速いです。
%の計算が苦手なら原価=100と置くのもアリ。定価=130、売値=104 のように整数で考えられます。
「利益が〇〇円だった。原価はいくら?」という逆算問題では、原価=x として方程式を立てましょう。
SPI損益算は、問われ方が大きく6パターンに分かれます。パターンを見抜けたらもう半分解けたようなもの。各パターンの解法と例題で完全マスターしましょう。
| パターン | 頻出度 | 難易度 |
|---|---|---|
| 1. 定価設定 → 割引販売 | ★★★ | 初級 |
| 2. 損益ゼロの割引率 | ★★☆ | 中級 |
| 3. 売値から原価を逆算 | ★★☆ | 中級 |
| 4. 利益額から原価を逆算 | ★★☆ | 中級 |
| 5. 複数商品の損益合算 | ★☆☆ | 中級 |
| 6. 売れ残り・廃棄を考慮 | ★☆☆ | 上級 |
原価に利益を上乗せして定価をつけ、割引して販売した場合の売値や利益を求めるパターンです。これが損益算の基本中の基本。公式3つをそのまま順番に使うだけで解けます。
ある商品を1,500円で仕入れ、原価の30%増しで定価をつけた。その後、売れなかったため定価の20%引きで販売した。この商品1個あたりの損益はいくらか。
A. 60円の利益 B. 60円の損失 C. 損益なし(0円) D. 30円の利益
解法:定価 = 1,500 x 1.3 = 1,950円。売値 = 1,950 x 0.8 = 1,560円。利益 = 1,560 - 1,500 = 60円の利益。
「30%増しして20%引いたら10%の利益?」と直感で考えると不正解。増しは原価が基準、引きは定価が基準なので、単純に足し引きできません。必ず1ステップずつ計算しましょう。
「損をしないためには最大何%引きまで許容できるか?」という問題です。売値 = 原価 になる条件を逆算して求めます。
原価に25%の利益を乗せて定価をつけた。損をしないためには、定価の最大何%引きまで許容できるか。
A. 15%引き B. 20%引き C. 25%引き D. 30%引き
解法:原価を100と置くと、定価 = 100 x 1.25 = 125。損益ゼロ = 売値が原価と等しい条件だから、売値 = 100。割引率 = 1 - (100 / 125) = 1 - 0.8 = 0.2 = 20%引きまでOK。
「利益率25%だから25%引きまでOK」と思いがちですが、これは典型的な間違い。利益率は原価基準、割引率は定価基準なので数値が一致しないんです。
「〇〇円で売った。定価や原価はいくらだったか?」と聞かれるパターンです。公式を「逆方向」に使います。
ある商品を定価の20%引きで2,400円で販売した。この商品の定価はいくらか。
A. 2,880円 B. 3,000円 C. 3,200円 D. 3,600円
解法:売値 = 定価 x (1 - 0.2) = 定価 x 0.8。つまり定価 = 売値 / 0.8 = 2,400 / 0.8 = 3,000円。
逆算のコツは「割引は掛け算だから、逆算は割り算」と覚えること。「2,400 + 20% = 2,880円」と足し算で逆算してしまうのがよくあるミスです。
「〇〇円の利益が出た。原価はいくらか?」と聞かれるパターンです。原価をxと置いて方程式を立てます。
ある商品に原価の40%の利益を乗せて定価をつけ、定価の10%引きで販売したところ780円の利益が出た。この商品の原価はいくらか。
A. 2,500円 B. 3,000円 C. 3,500円 D. 4,000円
解法:原価を x とする。定価 = x x 1.4。売値 = 1.4x x 0.9 = 1.26x。利益 = 1.26x - x = 0.26x。0.26x = 780 → x = 780 / 0.26 = 3,000円。
手順は4ステップ:原価をxと置く → 定価を求める → 売値を求める → 利益の式を立てて解く。この順番を覚えてしまえば、数字が変わっても同じやり方で解けます。
「A商品を何個、B商品を何個売った。合計利益は?」という問題です。各商品の1個あたりの利益を求めてから個数をかけて合算します。
商品Aは原価800円で定価1,000円、商品Bは原価500円で定価700円である。商品Aを15個、商品Bを20個すべて定価で販売した場合、合計利益はいくらか。
A. 6,000円 B. 7,000円 C. 7,500円 D. 8,000円
解法:A1個の利益 = 1,000 - 800 = 200円。B1個の利益 = 700 - 500 = 200円。合計 = 200 x 15 + 200 x 20 = 3,000 + 4,000 = 7,000円。
焦らず1個あたりの利益をまず計算するのがポイント。合計金額同士で引き算してしまうと間違いやすくなります。
仕入れた商品がすべて売れるとは限りません。一部を割引販売したり、廃棄したりした場合の全体利益を計算する応用問題です。
ある商品を100個仕入れた(原価1個200円)。原価の50%増しで定価をつけ、80個は定価で売れたが、残り20個は定価の半額で売った。全体の利益はいくらか。
A. 5,000円 B. 6,000円 C. 7,000円 D. 8,000円
解法:定価 = 200 x 1.5 = 300円。定価売上 = 300 x 80 = 24,000円。半額売上 = 150 x 20 = 3,000円。売上合計 = 24,000 + 3,000 = 27,000円。原価合計 = 200 x 100 = 20,000円。全体利益 = 27,000 - 20,000 = 7,000円。
ポイントは「原価合計」を忘れないこと。80個分の原価だけで計算してしまうと間違えます。仕入れた100個すべての原価を引くのがコツです。
損益算は「知っているのに間違える」ことが多い分野です。本番で痛い思いをしないために、よくあるミスパターンを事前に知っておきましょう。
「20%引きの後にさらに10%引き」を「合計30%引き(x0.7)」と計算してしまうミス。正しくは 0.8 x 0.9 = 0.72倍(28%引き)。段階割引は必ず掛け算でつなぎましょう。
「原価の25%増しで定価を設定 → 25%引きまでOK」は間違い。利益率は原価基準、割引率は定価基準で計算のベースが違います。25%増しの場合、損益ゼロは20%引きです。
利益は「売値 - 原価」です。定価で売れた場合のみ「定価 - 原価 = 利益」が成立します。割引した場合は必ず売値を使って計算してください。
「3割の利益を見込む」→ x 1.3(1より大きい数)。「3割引きで販売」→ x 0.7(1より小さい数)。問題文に「増し・乗せる・見込む」があれば1.xx倍、「引き・割引・値引き」があれば0.xx倍です。
「20%引きで2,400円で売った。定価は?」に対して 2,400 + 20% = 2,880円 と計算するのはNG。正しくは 2,400 / 0.8 = 3,000円。割引は掛け算だから、逆算は割り算です。
問題文で「定価の〇%引き」と「原価の〇%引き」を取り違えるミス。SPIでは「定価の〇%引き」が圧倒的に多いですが、必ず問題文の表現を確認しましょう。
損益算を見た瞬間にやるべきことを、ルーティンとして体に覚え込ませましょう。本番は緊張して頭が真っ白になることもあるので、手順を自動化しておくのが大切です。
最初に「何を求めるか」を明確にします。ここを間違えると全部やり直しになります。
わかっている数値を矢印の上に書き込みます。「?」がどこにあるかを視覚的に確認。
問題文の日本語を数字に変換します。この変換を最初にやっておくとミスが激減します。
定価→売値→利益の順に計算。暗算で済まそうとせず、必ず途中式を書きましょう。
利益が原価より大きい、売値がマイナスになっている等の「おかしな数字」がないか1秒で確認。
損益算はパターンに慣れれば比較的短時間で解ける分野です。基本パターン(パターン1〜3)なら60秒以内、逆算・合算パターン(パターン4〜6)でも90秒以内を目指しましょう。2分以上かかりそうなら一旦飛ばして他の問題へ。
原価→定価→売値の流れを矢印で書き、各段階の金額を書き込む。視覚的に整理できてミスが減ります。
「30%増し → x1.3」「20%引き → x0.8」を問題文の横にメモ。変換を最初にやれば計算に集中できます。
割引したのに売値が定価より高い、利益を見込んだのに損失...こんな結果はどこかで計算ミスをしています。
ここまで読んだあなたは、もう損益算の考え方はバッチリです。あとは実際に手を動かして問題を解くだけ。「頭でわかった」と「自分で解ける」は全然違うので、ぜひ練習問題に挑戦してみてください。損益算は慣れるほど速く正確に解けるようになりますよ。
解説付きの非言語練習問題で、損益算を含む実力チェックに挑戦しよう!
非言語練習問題に挑戦する