「順列と組み合わせ、どっちを使えばいいの?」──そんな悩みを今日で卒業しましょう。判断フローを使えば、問題を見た瞬間に公式を選べるようになります。6パターン・例題8問で、場合の数を得点源に変えていきましょう。
場合の数は「全部で何通りあるか?」を数える問題です。SPI非言語では確率問題の土台としても頻出するため、ここを押さえておくと確率パートでも得点しやすくなります。
公式は2つだけ覚えればOK。大切なのは「どちらの公式を使うか」を正しく判断することです。
「nPrとかnCrとか、もう忘れた…」というあなたも大丈夫。小さい数(3〜4個)なら樹形図を書いて全パターンを書き出せば正解できます。公式はあくまでショートカット。まず樹形図で考え方を理解して、そのあとで公式を使うのが一番確実ですよ。
| 種類 | 公式 | 使うとき | 例 |
|---|---|---|---|
| 順列(nPr) | n x (n-1) x ... x (n-r+1) ※ r個分のかけ算 |
順番が意味を持つ「並べ方」 | 委員長・副委員長を選ぶ |
| 組み合わせ(nCr) | nPr / r! | 順番が関係しない「選び方」 | 代表3人を選ぶ |
| 円順列 | (n-1)! | 円形に並べる | 円卓に座る |
| 積の法則 | A x B | 独立した事象の連続 | サイコロ2回、シャツとズボンの組み合わせ |
| 和の法則 | A + B | 排反する事象のどちらか | AまたはBのどちらかが起きる |
順列は「誰が1番で、誰が2番で…」と順番が意味を持つ場合。組み合わせは「この3人が選ばれた」とグループだけが重要な場合。この違いさえ理解すれば、あとは問題文のキーワードで機械的に判断できます。
公式の詳細な導出過程は頻出公式 完全一覧(公式12・13)にまとめてあるので、復習したいときはそちらも活用してくださいね。
場合の数で最も大切なのは「順列か、組み合わせか」の判断です。問題文を読んだ瞬間にどちらの公式を使うか決められるように、判断フローを身につけましょう。
問題文にこれらのキーワードが出てきたら、ほぼ自動で判断できます。試験本番で迷ったときのお守りにしてください。
| 問題文のキーワード | 使う公式 | 理由 |
|---|---|---|
| 「1列に並べる」「並べ方」 | 順列 | 左から順に位置が決まる |
| 「委員長・副委員長を選ぶ」 | 順列 | 役職が違う = 順番あり |
| 「1位、2位、3位を決める」 | 順列 | 順位が違う = 順番あり |
| 「代表3人を選ぶ」 | 組み合わせ | 全員同じ「代表」 = 順番なし |
| 「グループを作る」「チームを編成する」 | 組み合わせ | メンバーが決まればOK |
| 「円卓に座る」「輪になる」 | 円順列 | 回転で同じ配置は1通り |
| 「最短の道順」 | 組み合わせ | 右と上の配置を選ぶ |
「8人から委員長・副委員長・書記を選ぶ」──この問題文、「選ぶ」という言葉に引っかかって組み合わせを使う人が続出します。でも役職が異なる = 順番が意味を持つので順列です。「選ぶ」という単語だけで判断しないこと!
まずは場合の数の基本中の基本、順列と組み合わせの基本パターンから始めましょう。この2問が確実に解ければ、場合の数の土台は完成です。
「椅子が3つ並んでいて、左から順に座る人を決める」。1人目は5通り、2人目は4通り、3人目は3通り。
「順列で並べた後、同じメンバーの並び替えを1つにまとめる」。だから順列を r! で割る。
nCr は分子と分母を途中で約分しながら計算する。全部かけてから割ると桁が大きくなってミスしやすい。
A、B、C、D、Eの5人から3人を選んで1列に並べる並べ方は何通りか。
A. 30通り B. 45通り C. 60通り D. 120通り
「1列に並べる」→ 順番が意味を持つ → 順列。
5P3 = 5 x 4 x 3 = 60通り。
考え方:左端に座る人は5人の中から1人(5通り)、真ん中は残りの4人から(4通り)、右端は残りの3人から(3通り)。5 x 4 x 3 = 60通りです。
10人のチームから3人の代表を選ぶ選び方は何通りか。
A. 60通り B. 120通り C. 240通り D. 720通り
「代表3人」→ 全員同じ「代表」→ 順番なし → 組み合わせ。
10C3 = (10 x 9 x 8) / (3 x 2 x 1) = 720 / 6 = 120通り。
約分テクニック:先に約分すると計算が楽になります。
10/1 x 9/3 x 8/2 = 10 x 3 x 4 = 120通り。
もし「会長・副会長・書記を選ぶ」なら順列で10P3 = 720通りになります。この違いが超重要です。
SPI本番で最も差がつくのがこのパターン。「選ぶ」と書いてあっても、役職が異なるなら順列です。引っかけを見抜けるかどうかで、正答率がガラッと変わります。
これだけ覚えておけば、迷う時間がゼロになります。「選ぶ」という動詞に惑わされず、選んだ人たちに区別(役職・順位)があるかどうかだけを見てください。
8人のグループから委員長1人、副委員長1人、書記1人を選ぶ選び方は何通りか。
A. 56通り B. 168通り C. 336通り D. 512通り
委員長・副委員長・書記 → 3つの役職は全部違う → 順番が意味を持つ → 順列。
8P3 = 8 x 7 x 6 = 336通り。
引っかけ分析:「A. 56通り」は8C3(組み合わせ)の答え。「3人を選ぶ」という部分だけ見て組み合わせを使ってしまう人が多いのですが、役職が違うので順列が正解です。
具体例で確認:AさんとBさんの「入れ替え」を考えてみましょう。
・A=委員長、B=副委員長 → パターン1
・A=副委員長、B=委員長 → パターン2(別の選び方)
同じ2人でも役職が違えば別カウントなので、順列を使います。
男性5人・女性4人の計9人から、男性2人・女性2人の計4人チームを選ぶ選び方は何通りか。
A. 30通り B. 60通り C. 90通り D. 120通り
チーム = 役職なし → 組み合わせ。さらに「男性から」「女性から」の2段階 → 積の法則。
男性の選び方:5C2 = (5 x 4) / (2 x 1) = 10通り
女性の選び方:4C2 = (4 x 3) / (2 x 1) = 6通り
合計:10 x 6 = 60通り
条件が複数の集団にまたがる場合は「それぞれを計算してかけ算」がコツです。
「円卓に座る」「輪になって並ぶ」と出たら円順列。公式は (n-1)! の1つだけなので、覚えてしまえば確実に得点できるパターンです。
直線なら先頭が誰かで区別がつきますが、円形では回転して同じ配置になるものは「同じ1通り」と数えます。1人の位置を固定(例えばAさんを上に固定)して、残りの(n-1)人を並べると考えるとわかりやすいですよ。
6人が円卓に座る座り方は何通りか。
A. 120通り B. 360通り C. 720通り D. 1440通り
円卓 → 円順列。
(6-1)! = 5! = 5 x 4 x 3 x 2 x 1 = 120通り。
ひっかけ分析:「C. 720通り」は直線に並べた場合(6! = 720通り)の答え。「円」なのに「直線」で計算してしまうミスが定番です。
イメージ:Aさんの席を固定して「Aさんの右隣は?」「その次は?」と考えると、残り5人の並べ方 = 5! = 120通りです。
格子状の道路で「A地点からB地点への最短経路は何通りか」を聞かれる問題です。一見すると地図の問題に見えますが、実は組み合わせで解けます。
最短経路では「右に何回、上に何回」進むかが決まっています。右にm回・上にn回進む場合、合計(m+n)回の移動のうち「右に行く回数(または上に行く回数)を選ぶ」組み合わせの問題になります。
格子状の道路で、A地点からB地点まで最短で行く道順は何通りか。右に4回、上に3回進む必要がある。
A. 21通り B. 35通り C. 56通り D. 84通り
右4回 + 上3回 = 合計7回の移動。
7回のうち「上に行く3回をどこに入れるか」を選ぶ → 組み合わせ。
7C3 = (7 x 6 x 5) / (3 x 2 x 1) = 210 / 6 = 35通り
検算:7C4 = (7 x 6 x 5 x 4) / (4 x 3 x 2 x 1) = 840 / 24 = 35通り。どちらで計算しても同じ結果になります。計算が楽な方(数字が小さい方)を選ぶのがコツですよ。
「Aさんを必ず含めて選ぶ」「BさんとCさんは同時に選ばない」など、条件が付いた場合の数の問題です。条件を先に処理して固定するのがポイントです。
対象者を先に確定させて、残りの枠を残りのメンバーから選ぶ。
対象者を除外して、残りのメンバーだけで通常通り選ぶ。
全体 - 1人も含まない場合 = 余事象を使うのが最速。
10人から5人の委員を選ぶとき、Aさんを必ず含める選び方は何通りか。
A. 70通り B. 84通り C. 126通り D. 252通り
Aさんは確定 → 残りの9人から4人を選ぶ。
9C4 = (9 x 8 x 7 x 6) / (4 x 3 x 2 x 1) = 3024 / 24 = 126通り
考え方の流れ:
1. Aさんは決定(選ぶ必要なし)
2. 残りの枠:5人 - 1人 = 4人
3. 残りの候補:10人 - 1人 = 9人
4. 9人から4人を選ぶ → 9C4 = 126通り
条件付きの問題は「条件を先に処理して、残りを普通に計算する」──これが鉄則です。
赤玉3個・青玉2個・白玉1個の計6個を1列に並べる並べ方は何通りか。(同じ色の玉は区別しない)
A. 30通り B. 60通り C. 90通り D. 720通り
同じ色を区別しない → 「同じものを含む順列」の公式を使う。
全体の並べ方 / 同じもの同士の並べ方
= 6! / (3! x 2! x 1!)
= 720 / (6 x 2 x 1)
= 720 / 12
= 60通り
「D. 720通り」は全部区別した場合(6!)の答え。同じ色の玉を区別しないなら、同色の並び替え分で割る必要があります。
転職者がSPI本番でハマりやすい落とし穴をまとめました。事前に知っておくだけで、うっかりミスをグッと減らせますよ。
「委員長と副委員長を選ぶ」は順列(8P2 = 56通り)。「代表2人を選ぶ」は組み合わせ(8C2 = 28通り)。「選ぶ」という動詞ではなく、役職・順位の有無で判断してください。
6人が円卓に座る → (6-1)! = 120通り。6! = 720通りと答えてしまう人が多いです。「円卓」「輪になって」というキーワードに反応する訓練をしましょう。
10C3 = 720 / 6 = 120。計算ミスを防ぐには途中で約分するのがおすすめです。10/1 x 9/3 x 8/2 = 10 x 3 x 4 = 120。全部かけてから割るより確実です。
「BとCが同時に選ばれない場合の数」は、全体 - BとCが両方含まれる場合で計算する方が速いことがあります。直接数えようとすると場合分けが複雑になるので、余事象(全体 - ダメなケース)の発想も持っておきましょう。
本番で頭が真っ白になっても、樹形図を使えば解ける問題は多いです。3〜5個程度なら全パターンを書き出す時間は十分あります。「公式を思い出せない!」と焦るより、手を動かして樹形図を書きましょう。
| 優先順位 | パターン | 理由 |
|---|---|---|
| 1位 | 基本の順列・組み合わせ | 最頻出・公式が単純で確実に得点できる |
| 2位 | 役職あり/なしの判断 | 引っかけの定番。ここで差がつく |
| 3位 | 条件付き(含む・含まない) | やや難しいが出題頻度は中程度 |
| 4位 | 道順問題 | パターン暗記で対応可能 |
| 5位 | 円順列 | 公式1つを覚えるだけで確実に得点 |
場合の数は「順列か組み合わせか」の判断が命です。今日学んだ判断フローとキーワード早見表を使って、問題を見た瞬間に公式を選べるように練習していきましょう。
・「順番あり = 順列、順番なし = 組み合わせ」が基本判断
・役職が違う = 順列(「選ぶ」という動詞に惑わされない)
・円順列は (n-1)!、道順は組み合わせで解く
・条件付きは「条件を先に処理して残りを計算」
・公式を忘れても樹形図というバックアップがある
場合の数をマスターしたら、次は確率問題に進みましょう。確率は「条件を満たす場合の数 / 全体の場合の数」で求めるので、場合の数ができれば確率も一気に解きやすくなりますよ。
場合の数の基本が身についたら、非言語の練習問題で実力を確認しましょう!
非言語練習問題に挑戦する